完全変態を行う鱗翅目の昆虫において、幼虫とサナギの違いにも興味深いコントラストが存在します。
幼虫時代については、「毛虫=蛾、芋虫=蝶」と単純化されがちですが、これも正確ではありません。タテハチョウ科の幼虫のようにトゲ状の突起を持つ蝶の幼虫もいれば、スズメガの幼虫のように毛が一切ない滑らかな芋虫型の蛾の幼虫も数多く存在します。
決定的な差異が現れるのはサナギになる直前の行動です。代表的な違いとして繭を作る蛾と作らない蝶という特徴が挙げられます。
- 蝶のサナギ(裸蛹):蝶の幼虫は自らの口から吐く糸を足場として枝や茎に体を固定し、体を覆う繭を作らず、外皮が硬化した状態でそのまま露出して越冬や羽化を待ちます(アゲハチョウの帯蛹など)。
- 蛾のサナギ(繭蛹・土中蛹):カイコガに代表される多くの蛾は、自ら大量の絹糸を吐き出して頑丈な「繭(まゆ)」を紡ぎ、そのシェルターの中で安全にサナギへと変化します。あるいは地中に潜って土の部屋を作って蛹化します。