四万温泉のエリア全体には、どこか懐かしく妖しいアニメーションの世界観が漂っている。特に宮崎駿監督の手掛けたスタジオジブリの名作『千と千尋の神隠し』のモデル地として知られる「積善館本館」は、目と鼻の先だ。赤い橋を渡る時の緊張感、湯屋を思わせる木造建築の重厚感。まるで映画のワンシーンにそのまま迷い込んだかのような錯覚に囚われる。
国内のみならず海外からも熱狂的なファンが集うアニメ聖地巡礼の拠点として、この地は特別な熱気を帯びている。四万グランドホテルに荷物を預け、夕暮れの街並みを散策する時間。提灯の灯りが赤橋を照らし出す風景は、旅の記憶に深く刻み込まれるはずだ。