日本における甲虫描写の歴史を語るうえで、漫画の神様・手塚治虫の存在は外せない。自身も熱狂的な昆虫採集家であった手塚は、昆虫の骨格構造を熟知したうえで、愛嬌と生命力を宿した記号的デフォルメを確立した。
このDNAは2000年代初頭に社会現象を巻き起こした『劇場版 甲虫王者ムシキング グレイテストチャンピオンへの道』をはじめとするメディアミックス作品へと継承され、現代のキャラクターデザインにおける黄金比を形作った。リアルさを削ぎ落としながらも特徴的なシルエットを残すデフォルメ技術は、ロゴマークやアイコン制作の現場でも強力な武器として生き続けている。