デジタル空間における関心の高まりは、数字にも如実に表れている。クックパッド (Cookpad)の検索動向を覗くと、「豆腐 納豆」に紐づく複合キーワードには「レンジ」「チーズ」「ダイエット」「メインおかず」といった単語が並ぶ。副菜の枠を飛び越え、夕食の主役に据えようとする切実な意図が透けて見える。
動画で直感的な調理工程を届けるクラシル (kurashiru)でも状況は似ている。納豆と崩した豆腐にピザ用チーズをたっぷり乗せてトースターで焼き上げる「和風グラタン」や、片栗粉を混ぜて両面をカリッと香ばしく焼き上げる「大豆ハンバーグ」の動画は、数十万単位の再生数を軽快に叩き出す。
誰もが知る安価な食材で、見た目も華やか、しかも失敗しない。アルゴリズムが弾き出す人気コンテンツの背景には、失敗したくない、損をしたくないという生活者のシビアな防衛本能が働いている。