『日本人の英語』の著者マーク・ピーターセンが繰り返し説いたように、前置詞や助動詞、接続表現の感覚は、文脈という空気の中でしか真に身につかない。その生きた教材としてうってつけなのが、Netflixなどのストリーミングサービスで今なお世界中から愛される名作シットコム『Friends』だ。
作中では、登場人物たちが友情を確かめ合う場面で「I'll be there for you, no matter what.(何があってもそばにいるよ)」というフレーズが幾度となく交わされる。ここでは疑問詞以下の節が省略され、独立したイディオムとして確立している。条件がどれほど過酷であろうと関係ない、という絶対的なコミットメントの響きがそこにある。
また、洋楽のスタンダードナンバーやポップスで耳にするタイトル「No Matter What」も同様だ。理屈を超えて心に訴えかけるメロディとともに、このフレーズは「無条件の受容」を象徴する決まり文句として欧米文化に深く根づいている。