発端は、テレビ朝日の夕方ニュース番組『スーパーJチャンネル』で放映された何気ない街頭インタビューだった。年金不安や将来への懸念を尋ねるクルーに対し、独特の抑揚と劇的な身振り手振りで「国なんかあてにしちゃだめ」「自己防衛」と言い放った男性の姿は、瞬く間にインターネットミームとして爆発的な拡散を記録した。
SNS上ではキャプチャ画像がコラージュされ、リミックス音源が作られ、ポップカルチャーのパロディとして消費された。しかし、消費され尽くして消え去る有象無象のネットネタとは一線を画していた。そこには、言葉の裏に張り付いた異様なまでの切迫感と説得力があったからに他ならない。