2010年当時の熱気は、単なるCDの販売枚数だけでは測れません。当時の掲示板やSNS、音楽メディアの取材記録を振り返ると、ファンがアニメ作品とその楽曲を「自らの青春のアイデンティティ」として受容していた実態が浮かび上がります。
特に『けいおん!!』の後期主題歌「Utauyo!!MIRACLE」や「NO,Thank You!」の発売週には、秋葉原や日本橋などの大型CDショップに早朝から大行列が形成されました。当時のCDショップ店員の手記には「納品された段ボールが棚に並べる前に消えていく光景は、1990年代のミリオンセラー全盛期を彷彿とさせた」と記されています。
また、ネット掲示板(5ch・旧2ch)では、オリコンデイリーランキングの更新時刻である午後7時になるとサーバーが重くなるほどのアクセスが集中。「アニソンが一般J-POPを抑えてデイリー1位を獲得した」という速報が立つたびに数千件の祝福レスが書き込まれ、サブカルチャーがメインカルチャーを凌駕していくカタルシスを共有していたのです。