日本のショービジネス史において、ハリーウィンストンの指輪と芸能人の関係は切っても切り離せません。かつてDAIGOさんが北川景子さんに贈った指輪が「ハリー・ウィンストンの2カラット」であったことは広く知られており、当時の婚約会見でカメラのフラッシュを浴びて青白く燃えるように輝いた映像は、多くの人々の脳裏に刻まれました。その他にも、小栗旬さんと山田優さんなど、数々のスターカップルが節目にこのブランドを選んでいます。
芸能関係者がこぞって2カラットを指定する背景には、単なる富の顕示を超えた「記号性」が存在します。1カラットのダイヤモンドであれば、一般的な外資系企業勤務のパワーカップルでも手を伸ばせば届く範囲にあります。しかし、2カラットとなると前述の通り1,500万円から数千万円のキャッシュ、あるいはそれに値する社会的信用が不可欠となります。
社会学的に見れば、これはアメリカの経済学者トースタイン・ヴェブレンが提唱した「顕示的消費(Conspicuous Consumption)」の極致です。会見という公の場で「最愛のパートナーに対してこれだけの誠意と経済的責任を背負える」という事実を、ダイヤモンドという普遍的な物質を介して社会へ宣言しているのです。ハリー・ウィンストンの2カラットは、メディアの過酷な視線に晒されるトップスターたちにとって、自らの覚悟を証明するための確固たる免状として機能しています。