「人種のるつぼ」とは、多種多様な民族や人種、文化を持つ人々が一つの国や地域に集まり、互いに融合して新しい独自の文化や国民性を生み出していく状態を指す言葉です。英語では「Melting Pot(メルティングポット)」と表現されます。るつぼ(坩堝)とは、鉱石や金属を高熱で熱してドロドロに溶かす耐火容器のことで、異なるものが跡形もなく混ざり合う様子を比喩しています。
この言葉が広く知れ渡るきっかけとなったのは、1908年に初演されたイスラエル・ザングウィル作の戯曲『The Melting Pot』です。東欧から逃れてきたユダヤ人青年が、過去の憎悪や民族対立を捨て去り、アメリカという巨大な炉の中で純粋な「アメリカ人」へと生まれ変わる姿を描き、当時の熱狂的な支持を集めました。