防除現場で長年推奨されてきた手法の一つに、ヘラや棒を使って卵を水中に落とす「水没駆除」があります。しかし、この手法には知っておくべき決定的な落とし穴が存在します。
ジャンボタニシは陸生の卵殻を持つことで水中呼吸能力を持たない胚を大気中で育てます。したがって、産卵後数日以内の新鮮な卵塊を水深のある水中へ完全に沈めると、胚が窒息死して孵化できなくなります。これがジャンボタニシの卵の水没駆除のメカニズムです。
ところが、産卵から日数が経過し、色が鮮やかなピンク色から徐々に白っぽく、あるいは灰色がかってくると、内部の幼貝はすでに硬い殻と鰓(えら)・肺の両方を形成し始めています。ジャンボタニシの卵の孵化時期は気温25度以上の条件下でわずか10日~14日程度です。孵化直前の変色した卵塊を水中に落とすと、水に入った刺激で殻が割れ、かえって幼貝の孵化と水田内への拡散を早めてしまうという本末転倒な事態を招きます。
では、現場で最も確実かつ安全な防除法は何でしょうか。以下の比較表に各手法のメカニズムと実効性を整理しました。
確実性を求めるのであれば、コンクリート壁やU字溝に産み付けられた卵に対しては熱湯による駆除が最も理にかなっています。タンパク質性の毒素は高温によって凝固・失活するため、後処理の二次被害リスクを最小限に抑えることが可能です。