旅の大きな目的である北海道グルメにおいても、5月は旬の味覚が次々と市場に並ぶ贅沢な転換期にあたります。多くの食通が待ち望むのが、各地で順次スタートするウニ漁の解禁です。夏の積丹が全国的に有名ですが、5月はえりもや日高をはじめとする前浜産のエゾバフンウニが旬を迎えています。この時期の春ウニは、冷たい北の海で豊富な昆布を食べて育ち、濃厚なコクと雑味のない強い甘みが口いっぱいに広がる逸品です。市場の海鮮丼や名店寿司屋で提供される獲れたての無添加ウニは、一度味わうと忘れられない感動をもたらします。
海の幸だけでなく、大地が育む春野菜も見逃せません。この時期の北海道産アスパラガスは、雪解け水をたっぷり吸い上げ、昼夜の寒暖差によって糖分を極限まで蓄えています。根元まで柔らかく、生でかじると果物のように甘い採れたてのアスパラガスは、シンプルな一本焼きや天ぷらでその真価を発揮します。さらに、オホーツク海から流氷が去った直後の「海明け毛ガニ」は、春のプランクトンを食べて身がぎっしりと詰まり、濃厚なカニ味噌と繊細な甘みを堪能できます。春ニシンや行者ニンニクなどの山菜とともに、北の大地の息吹を舌先で存分に味わえるのが5月の醍醐味です。