現在の日本呼吸器学会ガイドラインにおいて、閉塞性換気障害(特にCOPD)の治療アプローチは明確に確立されています。何よりも最優先される根本的な治療は「完全な禁煙」です。禁煙によって低下した肺機能を完全に元通りにすることは難しくても、その後の急速な機能低下スピードを非喫煙者と同等レベルまで緩やかに抑え込めます。
薬物療法では、気道を広げて呼吸を楽にする「吸入気管支拡張薬(LAMAやLABA)」が治療の主軸となります。症状の重症度や喘息の合併(ACO:喘息・COPDオーバーラップ)に応じて、吸入ステロイド薬(ICS)を組み合わせる多剤併用療法が標準的です。
薬と並んで高いエビデンスを持つのが呼吸リハビリテーションです。息を吐く時間を長くする「口すぼめ呼吸」や「腹式呼吸」を習得することで、肺内の過膨張を抑え、効率的なガス交換を促します。さらに、息切れによる活動量低下を防ぐための下肢筋力トレーニングを並行して行うことで、日常生活の動作能力は劇的に改善します。