見事に大吉を引き当てた参拝者の間で、処遇をめぐって意見が分かれるのが「境内の木や紐に結ぶべきか、それとも自宅に持ち帰るべきか」という問題です。大吉を引いた後の正しい結び方と保管作法には、明確な意味付けが存在します。
本来の神道・仏教の作法における原則は以下の通りです。
- 大吉・吉など良い運勢の場合:持ち帰って財布や手帳に大切に保管し、時折読み返して自らの行動の戒めにする。
- 凶・末吉など芳しくない運勢の場合:境内の「みくじ掛け(結び所)」に利き手とは逆の手で結びつけ、「神仏とご縁を結ぶことで厄を境内に留めてもらう」ように祈念する。
大吉が出たからといって即座に境内に結んで立ち去ってしまうのは、せっかく授かった神仏からの具体的なアドバイスをその場に放置して帰るようなものです。おみくじに記されている「願望」「待人」「商売」「健康」といった個別のアドバイスこそが本質であり、持ち歩いて日常生活の中で折に触れて確認することに本来の価値があります。
なお、大吉であっても「これ以上の欲を出さず、さらなる高みへの祈念を込めて境内に結びたい」と考える場合は結んで帰っても作法違反ではありません。その際、境内の生きた樹木の枝に直接結びつける行為は厳禁です。近年、参拝者が木の枝におみくじを巻きつけることで樹皮が傷み、樹木が枯死する被害が全国の社寺で問題視されています。必ず社寺が指定している専用の「みくじ掛け」の麻紐やワイヤーに、丁寧に結び留めるのが正しい参拝マナーです。