ヂートゥが自ら編み出した念能力が、空間隔離型の「鬼ごっこ」でした。相手と自分を周囲に何もない広大な閉鎖空間へと引きずり込み、8時間の制限時間内にヂートゥに一度でも触れれば相手の勝利、触れられなければヂートゥの勝ちという特殊ルールを強いる具現化系念能力です。
自身の絶対的アドバンテージである走力を最大限に活かした能力に見えましたが、相手となったモラウの冷静沈着な戦術眼によって、その欠陥が白日の下に晒されます。モラウは無駄に追いかけることを即座に放棄し、愛用の煙管(キセル)をくゆらせながらその場にどっかと座り込み、ヂートゥの精神的自滅を誘う「心理戦」を選択しました。
ヂートゥの致命的な弱点は、「待つことができない極度の退屈恐怖症と短気さ」でした。相手が動かないだけで極度の苛立ちを覚え、挑発を繰り返すうちに自らモラウの間合いに接近。結果としてモラウの煙を使ったロープトラップに引っかかり、背後を取られて呆気なくタッチを許すことになります。「二度とこの能力は使えない」という自己制約のリスクだけを背負い、精神的敗北を喫した瞬間でした。