重箱のなかで海老が際立つのは、周囲を固める他の具材との調和があるからです。おせち料理の主要具材が持つ意味を整理することで、食卓での会話が一層深まります。
・数の子(かずのこ):ニシンの卵の多さから「子孫繁栄」「家系存続」を祈願。
・黒豆(くろまめ):「まめに(勤勉に)働き、まめに暮らす」無病息災の象徴。
・田作り(たづくり):カタクチイワシを肥料にしたところ豊作になった故事から「五穀豊穣」。
・紅白かまぼこ:赤は「魔除け・慶び」、白は「清浄・神聖」を表し、半円の形は「日の出」を象徴。
・伊達巻(だてまき):巻物に似た形状から「学業成就」「知識の向上・文化の発展」。
・栗きんとん(くりきんとん):「金団」の文字通り黄金色に輝く財宝に見立てた「金運招福・商売繁盛」。
・昆布巻き(こんぶまき):「よろこぶ」の語呂合わせと、健康長寿の願い。
・蓮根(れんこん):複数の穴が貫通していることから「将来の見通しがきく」。
これらの具材のなかで、海老は視覚的な「赤のアクセント」として全体を引き締める色彩調整の役割も担っています。黒豆の黒、栗きんとんの黄、数の子の淡い黄金色のなかに海老の朱色が加わることで、お祝いにふさわしいコントラストが完成します。