スカウトを装って近づき、金銭をだまし取ったり不法な契約を結ばせたりする「悪質スカウト」の被害は後を絶ちません。街中で声をかけられた際、それが本物の芸能スカウトなのか、単なるナンパや危険な罠なのかを冷静に見極めるリテラシーが不可欠です。
本物のスカウトマンと、悪質な業者・ナンパ師の間には、明確な行動パターンの違いがあります。
本物のスカウトマンは、第一声で必ず「実在する法人名」「自身の氏名」「スカウトの目的」を明瞭に名乗ります。そして、日本芸能マネージメント事業者協会(JAME)などに加盟する正規の大手事務所であれば、その場で連絡先を聞き出そうとしがみつくことは決してありません。「ぜひご両親と相談して、興味があれば会社宛てにお電話をください」と、固定電話番号や会社住所が明記された名刺を手渡して速やかに立ち去るのが業界の鉄則です。
一方、以下のような挙動が見られた場合は、即座に警戒してください。
- 名刺を渡さない、または手作りのような簡易的な名刺しか出さない
- 「今すぐ近くのカフェでオーディション用の写真を撮らせてほしい」と執拗に誘う
- 個人LINEや携帯電話の番号だけを教えさせようとする
- 「レッスン費用として数十万円かかるが、君ならすぐに元が取れる」と金銭を要求する
- 未成年者に対して「親には内緒で契約できる」と囁く
警視庁や消費者庁の公開資料でも再三警告されている通り、正規の芸能事務所が街頭スカウトの初期段階で法外な登録料や高額なレッスン費用を請求することは原則としてありません。少しでも怪しいと感じた場合は、名刺を受け取るだけに留め、自宅に戻ってから法人番号公表サイトや業界団体の加盟リストで会社の実在性を照合する自衛策を徹底してください。