JTWCが公開する公式ウェブサイトの画面はすべて軍用英語と専門記号で構成されているため、初見では難解に見えます。しかし、押さえるべき基本ルールは極めてシンプルです。
米軍のグラフィック予想図(Prognostic Reasoning Graphic)を開いた際、最初に確認すべきはマップ上に記された進路予測ラインと円の表示です。点線や実線で結ばれた予想位置には、各日時の中心気圧や最大風速が記載されています。ここで日本の利用者が最も警戒しなければならないのが、図中に示されている日時の表記フォーマットです。
進路図や解析データに記されている時間はすべて世界協定時(UTC)であり、末尾に「Z(ズールー時間)」が付記されています。例えば「06/12Z」と記載されている場合、これは「6日の12:00 UTC」を意味します。日本標準時(JST)は協定世界時より9時間進んでいるため、JTWC日本時間換算を行う際は「表示時間+9時間」を計算しなければなりません。前述のケースであれば、12時に9時間を足した「6日の21:00(日本時間)」が実際の予測対象日時となります。日付変更線をまたぐ夜間帯のデータでは、日付そのものが翌日に繰り上がる点に細心の注意が必要です。
また、米軍台風進路予想図に記された風速の単位は「ノット(kt)」で統一されています。1ノットは約0.514m/sであるため、大まかな日本式風速(m/s)を知るには数値を半分にする計算が実用的です。図上に表示される同心円の意味は以下の通りです。
- 34 kt(約17.5 m/s):日本の「強風域」に相当。看板が揺れ、傘が役に立たなくなる強風圏。
- 50 kt(約25.7 m/s):日本の「暴風域」突入の目安。歩行困難となり、看板落下の危険が生じる警戒ライン。
- 64 kt(約33.0 m/s):米軍が定義する「TYPHOON(タイフーン)」の基準値。屋根瓦が飛び、屋外活動が命取りになる暴風圏。
沖縄本島や宮古・八重山諸島がこの50kt以上の予報円にいつ接触するかを読み解くことで、暴風域突入時間予測沖縄の極めて精密なタイムラインを独自に導き出すことが可能になります。