耳に水が入った感じが治らない?危険な兆候と受診基準を徹底検証

耳に水が入った感じが治らない?危険な兆候と受診基準を徹底検証

耳に水が入った感じが治らない?危険な兆候と受診基準を徹底検証について詳しく解説いたします。最新の情報をお届けします。

耳の閉塞感に直面した際、多くの人が直感的に行うのが「自己流の耳抜き」や「綿棒による掻き出し」です。しかし、医療関係者の間では、これらの自己判断アクションが症状を壊滅的に悪化させるケースとして強く警鐘が鳴らされています。

代表的な誤解が、「バルサルバ法(鼻をつまんで強く息を吹き込む耳抜き)」の乱用です。飛行機の下降時やダイビングで使われる耳抜きのやり方ですが、耳閉感の原因が耳管狭窄症ではなく、内耳の病変(突発性難聴や低音障害型感音難聴)であった場合、過剰な圧力が内耳窓を直撃します。最悪の場合、蝸牛の窓が破れる「外リンパ瘻」を併発し、不可逆的な重度難聴や激しいめまいを引き起こす危険性があります。

さらに危険なのが、耳管開放症に対する耳抜きです。耳管が開きっぱなしになっているこの病態では、自分の声が響く(自声強調)や自分の呼吸音が耳元で聞こえる症状が生じます。患者は「詰まっている」と感じるため息を強く送り込もうとしますが、開いている管に強圧をかけることで中耳粘膜を傷つけ、病状を極限までこじらせる原因となります。

また、入浴後の綿棒使用も大きな落とし穴です。耳の奥に水が入ったと感じて綿棒を深くまで差し込むと、自然に排出されるはずだった湿性耳垢を鼓膜の手前で押し固めてしまい、強固な耳垢塞栓を作り出してしまいます。水が抜けないのではなく、自ら耳栓を作り出しているケースが後を絶ちません。

池田 達也
著者

池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。