入試直前の志願変更期間を経て確定する千葉県公立高校倍率速報では、毎年劇的なドラマが繰り広げられます。近年、なぜ県立千葉や東葛飾、県立船橋といった名門校の間で倍率やボーダーラインの急変動が生じているのでしょうか。そこには3つの構造的な要因が存在します。
第1の要因は、県立船橋高校合格ラインの真相に直結する「理系志向の高まり」と「交通利便性」です。県立船橋はスーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校としての実績が全国的にも評価されており、東京大学や京都大学、東京科学大学(旧東京工業大学・東京医科歯科大学)への高い進学実績が理系志望の男子・女子中学生を強烈に惹きつけています。JR総武線や東武アーバンパークラインが交差する立地の良さも手伝い、千葉市周辺だけでなく葛南地区や東葛地区からもトップ層が流入した結果、実質倍率が1.5倍から1.7倍という公立トップ校としては異例の高水準に張り付く事態が続いています。
第2の要因は、中高一貫化に伴う定員枠の圧縮です。千葉県立千葉高校偏差値と評判を語る上で避けて通れないのが、併設型中学校からの内部進学枠です。県立千葉は高校からの募集定員が従来の半分近くまで絞り込まれており、「絶対に公立に受かりたい」と考える慎重派のトップ層が、定員減による不確実性を恐れて県立船橋や千葉東へ出願先をシフトさせる現象が恒常化しました。この玉突き現象こそが、ボーダーラインの予測を難しくしている元凶です。
第3の要因は、柏地区の雄である東葛飾高校の動向です。東葛飾高校進学実績の推移を詳細に見ると、2016年の中学校開校から一貫生が大学受験を経験した近年、難関国公立大学への現役合格率が右肩上がりに向上しました。さらに同校独自の「医歯薬コース」の設置が、医療系を目指す受験生にとって決定打となっています。自由な校風を維持しながら進路実現力を強化したことで、つくばエクスプレス沿線の人口流入と相まって高い志願倍率を維持し続けています。