入試やハイレベルな実力テストでは、単に全体の個数を問うだけでなく、特定の条件が付加された応用問題が出題されます。ここでは頻出の3大パターンを整理します。
① 約数の個数が奇数になる理由と平方数
自然数の約数は、基本的にペア(相棒)で存在します。たとえば12の約数は、「$1 \times 12$」「$2 \times 6$」「$3 \times 4$」のように2つずつの組み合わせを作ることができるため、原則として総数は偶数になります。ところが、ある数が平方数(整数の2乗)である場合、「$6 \times 6 = 36$」のように自分自身とペアになる数が中央に現れます。自分自身は1個としてしかカウントしないため、全体の個数が必ず「奇数」になります。素因数分解の観点からも、すべての指数が「偶数」になるため、それぞれに1を足した「(偶数+1) = 奇数」同士の掛け算となり、結果は必ず奇数になります。「約数の個数が奇数個 $\Leftrightarrow$ 平方数」は、中学受験算数から大学入試まで頻出の重要定理です。
② 約数の個数が3個の自然数
「約数がちょうど3個である数」には、極めて強力な制約がかかります。公式 $(a+1) = 3$ を満たすには、指数 $a$ が「2」でなければならず、かつ他の素因数を持ってはなりません。すなわち、「素数の2乗($p^2$)」の形をした数だけが該当します。具体的には、$2^2=4$(約数は1, 2, 4)、$3^2=9$(約数は1, 3, 9)、$5^2=25$(約数は1, 5, 25)などがこれにあたります。「約数が3個」という条件文を見た瞬間、即座に「素数の2乗」と言い換えられるかどうかが勝負の分かれ目です。
③ 偶数の約数の個数の絞り込み方
「360の約数のうち、偶数は何個あるか」という問いに対しては、「全体から奇数の約数を引く」アプローチと「素因数2の選び方を制限する」アプローチの2通りがあります。後者の方が圧倒的にスマートです。360は $2^3 \times 3^2 \times 5^1$ でした。偶数になるためには、「素因数2を最低1個以上使う」ことが絶対条件です。つまり、素因数2の選び方は「$2^0=1$(使わない)」を除外した「1個、2個、3個」の 3通り に絞られます。3と5の選び方は制限がないため、それぞれ $(2+1)=3$ 通り、$(1+1)=2$ 通りです。したがって、$3 \times 3 \times 2 = \mathbf{18個}$ とダイレクトに算出できます。