昭和・平成の時代劇や実話誌に登場したような「ドアを蹴り破り大声で怒鳴り散らす」古典的ヤクザスタイルの取り立ては、法改正と警察の取り締まり強化により激減しました。その代わり台頭しているのが、一見すると丁寧で親切な対応を装うソフト闇金やSNS・LINE融資の罠です。
彼らはWebサイトやSNS上で「ソフト闇金〇〇」「即日融資・個人間融資」と名乗り、初回連絡時は「困ったときはお互い様ですから」「無理のない返済プランを組みましょう」と極めて柔和に接してきます。ところが、契約を結んだ瞬間に牙を剥きます。利息は「トサン(10日で3割=年利1,095%)」や「トゴ(10日で5割=年利1,825%)」が当たり前。4万円を借りても、手数料と先引き利息を引かれて手元に入るのは2万5,000円程度、10日後には4万円の一括返済を迫られます。
支払いが1日でも遅れると、闇金取り立ての手口と実態は冷酷を極めます。契約時に控えさせられた勤務先、実家、子どもの学校、配偶者の携帯電話へ非通知で1分おきに鬼電をかけ続ける嫌がらせが始まります。近隣のピザ屋や出前を勝手に何十件も注文して自宅に送りつける、深夜に救急車や消防車を虚偽通報で呼ぶ、さらには顔写真や身分証明書画像をネット上に「詐欺師」として晒すなど、精神的拷問とも呼べる手口で債務者を社会的に抹殺しようとします。
事件報道の現場取材や被害者の手記では、「LINEの通知音が鳴るたびに心臓が激しく波打ち、過呼吸で倒れた」「職場に1日200件以上の嫌がらせ電話が入り、居場所を失って退職に追い込まれた」という凄惨な証言が後を絶ちません。「少しの間だけなら誤魔化せる」という甘い見通しは、完全に粉砕されます。