ネット上の掲示板やSNSでは「中3になったらもう背は伸びない」「高校生になったら1cmも伸びなかった」という声が散見されます。この噂の真相は、男女における成長期ピーク時期の決定的なズレを同一視してしまっていることに起因しています。
人間の思春期発育には、急激に身長が伸びる「思春期スパート」と呼ばれるフェーズが存在します。医学的な臨床データによると、女子のピークは10歳半〜11歳頃(小学校高学年)に訪れます。初経を迎える前後で年間最大値(約7〜8cm/年)を記録し、初経から2〜3年が経過した中学3年生の頃には骨の成熟が進み、年間の伸び幅は1cm前後に落ち着きます。そのため、女子に関して「中3以降は大きな伸びが期待しにくい」というのは、生理学的にある程度合致した事実です。
一方、男子のピークは女子より約2年遅い12歳半〜13歳半(中学1年生〜中学2年生)に訪れます。ピーク時には1年間で8〜10cm以上も一気に伸びますが、男子の成長曲線の下降線は女子よりも緩やかです。中3から高校生にかけての期間はまさに「思春期ラストスパート」の真っただ中であり、成長曲線が緩やかになりつつも、時間をかけて骨が伸び続けていきます。
男子成長期いつまで続くかという疑問に対し、小児内分泌専門医の見解は概ね「17歳〜18歳頃(高校2〜3年生)まで」とされています。したがって、中3男子が「周りより背が低いからもう手遅れだ」と悲観するのは明らかな誤解です。