硬質ポリ塩化ビニル管の規格・耐用年数|Vp・Vuの違いと正しい施工法

硬質ポリ塩化ビニル管の規格・耐用年数|Vp・Vuの違いと正しい施工法

硬質ポリ塩化ビニル管の規格・耐用年数|Vp・Vuの違いと正しい施工法の要点や背景を専門的かつ分かりやすくまとめました。最新トレンドを一目で把握できます。

税法上の減価償却資産としての配管設備耐用年数は「15年」と定められていますが、これはあくまで財務上の会計基準に過ぎません。実際の建築設備工学における硬質ポリ塩化ビニル管の物理的寿命は、標準的な埋設使用環境であれば「50年以上」の健全性を維持することが公的研究機関および塩化ビニル管・継手協会のサンプリング調査で実証されています。

東京都水道局をはじめとする全国主要自治体が実施した「供用後40〜50年が経過した埋設塩ビ給水管」の引張強度・偏平試験結果によると、経年劣化した管材であってもJIS規格値の引張降伏強さをクリアし続けているケースが大半を占めています。金属管(亜鉛めっき鋼管など)のように「錆こぶ」が発生して閉塞したり、電食で孔が空いたりするリスクが原理的に存在しないからです。

しかし、「半永久的に持つ」と過信するのは早計です。硬質ポリ塩化ビニル管には明確な「3大劣化促進因子」が存在します。

第一の因子が「紫外線(直射日光暴露)」です。屋外に無被覆のまま放置された塩ビ管は、太陽光の紫外線によってポリマー鎖の切断と脱塩酸反応が進行します。表面が退色・白化(チョーキング)し、次第に微細クラックが発生。最終的にはゴム弾性を失ってガラスのように脆くなり、少しの衝撃で粉砕します。屋外露出配管では、遮光塗装(アクリルウレタン系等)や保温材・キャンバステープ巻きによる紫外線防御が不可欠です。

第二の因子が「熱履歴によるクリープ変形」です。硬質ポリ塩化ビニル管の熱変形温度は約60〜65℃。食器洗い乾燥機や給湯器からの排水(70〜80℃)を無対策でVU管に流し続けると、自重や管自体の勾配によって熱軟化変形を起こし、排水不良や継手外れを誘発します。

第三の因子が「有機溶剤や油脂類によるソルベントアタック(化学的劣化)」です。接着剤の過剰塗布や、工場排水に含まれる芳香族炭化水素・エステル類によって可塑化が進み、強度が著しく低下するリスクが報告されています。

斉藤 蓮
著者

斉藤 蓮

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。