高校卒業後、八百屋の住み込み店員や大和ハウス工業、不動産仲介会社勤務を経て独立資金を貯めた宗次氏は、1974年に転機を迎えます。結婚した妻・直美氏とともに、名古屋市西区にわずか9坪の喫茶店「喫茶バッカス」を開業しました。
朝早くから店を開け、訪れる客一人ひとりに真心を尽くす接客を続けるなか、昼時の集客メニューとして提供し始めたのが、直美氏が丹精込めて仕込んだ手作りのポークカレーでした。野菜や肉の旨味が溶け込んだ飽きのこない家庭的な味わいは、近隣のビジネスパーソンを中心に「他では味わえない温かみがある」と瞬く間に口コミで広がり、喫茶店でありながら大半の客がカレーを目当てに来店する異例の事態となります。
手応えを得た夫妻は1977年に2号店となる「珈琲館ダンディ」を出店後、本格的にカレー専門店への業態転換を決意。そして1978年1月、愛知県西枇杷島町(現・清須市)に「カレーハウスCoCo壱番屋」西枇杷島1号店が誕生しました。店名には「カレーなら、ここが一番や!」という自信と親しみやすさが込められており、これが現在の「株式会社壱番屋」の歴史の幕開けとなったのです。