フォーマルなビジネスレターや公的機関宛ての書状では、簡潔かつ格調高い「漢語調」の時候の挨拶を選択するのが鉄則です。新緑の候の使い方を押さえつつ、時候の持つニュアンスを的確に使い分けることで、実務上の誠実さと教養を同時に伝えることができます。
5月上旬のビジネス文例(立夏の手紙書き出し)
立夏を迎える5月5日以降は、清々しい夏の訪れを告げる時候を用います。
「拝啓 立夏の候、貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。」
立夏前(5月1日〜4日頃)に送る場合は、まだ春の気配を残す表現を選びます。
「拝啓 新緑の候、貴社におかれましては一段とご隆盛のこととお慶び申し上げます。平素は格別の格別のお引き立てにあずかり、心より感謝申し上げます。」
5月中旬のビジネス文例(初夏の候文例・薫風の候時期)
薫風の候の時期は、立夏を過ぎて風が爽やかに吹き渡る5月中旬が最も適しています。初夏の候文例と並び、取引先への定期連絡や新企画の案内状に最適です。
「拝啓 薫風の候、貴社におかれましては未曾有のご発展を遂げられておられますこと、大慶に存じます。日頃の格別のご愛顧に対し、深く感謝申し上げます。」
また、古典的な情緒を取り入れる場合は皐月の候例文も選択肢に入ります。
「拝啓 皐月の候、貴所におかれましてはますますご健勝のことと拝察いたします。平素はひとかたならぬご厚情を賜り、深謝申し上げます。」
5月のお礼状書き出し文例(面談・商談後)
連休明けに実施された商談や情報交換に対する5月お礼状書き出しでは、時候の挨拶のあとに「先日の面談への感謝」を明確に接続させます。
「拝啓 新緑の候、貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
先日はご多忙の折にもかかわらず、貴重なお時間を割いてご面談をいただき、誠にありがとうございました。賜りましたご意見を真摯に受け止め、今後の事業推進に生かしてまいる所存です。」