SNSやQ&Aサイト(知恵袋など)を見ると、「耳に水が入ったまま3日放置したら、強烈な激痛で夜も眠れなくなった」「水が入ったと思っていたら、耳垢が詰まって完全に聞こえなくなっていた」というリアルな体験談が数多く寄せられています。利用者の投稿を分析すると、多くの人が「たかが水」と軽視して放置した結果、深刻な炎症に発展させている実態が浮き彫りになります。
健康な状態であれば、正常な鼓膜に穴が開いていない限り、外耳道に入った水がそのまま鼓膜を通り抜けて「中耳(ちゅうじ)」に侵入することはありません。そのため、「水が入ったこと自体」で直接中耳炎になるわけではありません。しかし、問題は「放置された水分が外耳道で雑菌の温床になること」、そして「不快感から無意識に指や耳かきでほじってしまうこと」です。
高温多湿な耳の穴に水分が長時間留まると、皮膚の常在菌バランスが崩れ、緑膿菌(りょくのうきん)や真菌(カビの一種であるアスペルギルスやカンジダ)が異常繁殖します。これが通称「スイマーズイヤー」とも呼ばれるびまん性外耳道炎です。悪化すると、耳たぶを少し引っ張っただけで飛び上がるほどの激痛が走り、黄色い耳だれや異臭が生じます。さらに、過去に中耳炎の手術歴がある人や、鼓膜に微小な穿孔(穴)がある人の場合は、侵入した水が直接中耳へと達し、急性中耳炎の激しい再発を招くため、決して楽観視はできません。