結論から言えば、カンジダ菌は性行為によって女性から男性へとうつります。ただし、性交渉を持ったからといって100%の確率で発症するわけではありません。臨床データや専門医の報告によると、女性パートナーがカンジダ症を発症している状態でコンドームなしの性交渉を行った場合、性行為うつる確率はおおよそ数%〜10%前後と推計されています。
なぜ男性の発症率は女性に比べて低いのでしょうか。その理由は生殖器の構造にあります。女性の膣内は高温多湿で真菌が繁殖しやすい閉鎖環境であるのに対し、男性器の外側は空気に触れて乾燥しやすく、排尿や入浴時のシャワーによって付着した菌が自然に洗い流されやすいためです。そのため、病原菌が侵入したとしても、健康な皮膚のバリア機能が正常に働いていれば、菌の過剰増殖は食い止められます。
一方で、発症までの時間軸には注意が必要です。男性カンジダ潜伏期間は一般的に2〜7日程度とされていますが、菌が付着しても無症状のまま皮膚上に留まり(無症候性キャリア)、数週間から数か月後に疲労や風邪、寝不足などで免疫力が落ちたタイミングで突如として発症する例も珍しくありません。「先週は性行為をしていないからカンジダではない」と自己判断するのは禁物です。
また、パートナーの一方がカンジダを発症した際、真っ先に「浮気」を疑ってしまう心理的トラブルが後を絶ちません。しかし、カンジダ菌は口の中や消化管、皮膚全般に元々潜んでいるカビの仲間です。抗生物質の服用によって常在細菌のバランスが崩れたり、過度なストレスで自己免疫が落ちたりするだけでも体内で増殖します。性行為は菌が移動するきっかけの一つに過ぎず、パートナーの不貞を直接証明する根拠にはならないという医学的事実を冷静に受け止める必要があります。