葛西敬之氏という人物への評価は、見る角度によって真っ二つに分かれます。
【功績として称賛される側面】 国鉄の膨大な赤字を解消し、東海道新幹線を世界最高水準の運行頻度と安全性を誇る「金のなる木」へと研ぎ澄ませた経営手腕は誰もが認めるところです。「のぞみ」の運行開始、品川駅の開業、N700系車両の全面導入など、顧客利便性と収益性を極限まで高めた功績は計り知れません。
【批判と軋轢の影】 一方で、かつて苦楽を共にした「国鉄改革3人組」の松田昌寿氏や井手正敬氏とは、民営化後の主導権争いや経営路線の違いから激しく対立し、完全に決裂しました。また、JR東海の社内においては「カサイ・チルドレン」と呼ばれる腹心を登用し、退任後も名誉会長として長きにわたり実権を握り続けた「院政」体制に対しては、社内外から独裁的との批判も根強く存在しました。