練紅覇のキャラクター性が読者の胸を最も強く打ったエピソードが、コミックス中盤で描かれたマグノシュタット戦です。煌帝国軍の先遣隊として進軍した紅覇は、圧倒的な物量で迫り来る黒い怪物たちを前に、魔力を限界まで使い果たしながらも最前線で孤軍奮闘しました。
従者たちが傷つき倒れていく中で、紅覇は血反吐を吐きながら大刀を振るい続け、部下を守るために自らの身体を盾にしました。普段の奔放で気まぐれな皇子の姿から一変、「僕の部下に手を出すな!」と叫びながら限界を超えて戦うその姿は、多くの読者に「ただの甘やかされた皇子ではない」という強烈な真実を焼き付けました。
また、テレビアニメ版において練紅覇を演じた声優・柿原徹也氏の熱演も、キャラクターの評価を決定的なものにしました。甘く舌足らずなトーンで周囲を翻弄する妖艶な少年ボイスから、戦場で見せる狂気とドスの利いた咆哮、そして部下を慈しむ際の深い温もりまで、振れ幅の極めて大きい感情の機微を見事な技術で表現。放送当時のSNSやファンコミュニティでは「柿原氏の声によって紅覇の二面性の説得力が跳ね上がった」と絶賛の声が相次ぎました。