虫歯で顔が腫れる原因とは?放置厳禁の重症化サインと応急処置

虫歯で顔が腫れる原因とは?放置厳禁の重症化サインと応急処置

虫歯で顔が腫れる原因とは?放置厳禁の重症化サインと応急処置とはどんな影響があるのか? 主要なファクトを簡潔に解説します。

顔が大きく腫れ上がった際、インターネット上の不確かな情報に惑わされて誤った自己流の対処を行い、症状を劇的に悪化させて救急搬送されるケースが後を絶ちません。臨床現場で頻繁に見られる代表的な2大誤解を検証します。

誤解1:「冷えピタや氷でキンキンに冷やせば治る?それとも血行を良くするために温める?」

顔が熱を持って腫れているとき、「冷やすべきか温めるべきか」で迷う方が大半です。結論から言うと、「激しく冷やすのも、温めるのも両方NG。正解は水道水で濡らしたタオル等による微冷(緩やかな冷却)」です。

氷袋やアイスノンを直接肌に当てて過度に冷やすと、局所の毛細血管が極端に収縮して血流が途絶えます。これにより、感染と戦う白血球や投与された薬剤が患部に届かなくなるばかりか、組織の自己修復能力が奪われて治癒が大幅に遅れます。逆に、入浴やカイロなどで患部を温めてしまうと、急激な血管拡張によって炎症性浮腫(腫れ)が一気に増大し、激痛とともに細菌が周囲組織へ急速に拡散します。対処としては、冷水で絞った濡れタオルや冷却シートを頬に当て、熱感を軽く取る程度にとどめるのが医学的な鉄則です。

誤解2:「ロキソニンを飲んでいるのに全く痛みが引かないのはなぜ?」

ドラッグストアで購入できるロキソニン(ロキソプロフェンナトリウム)などの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、痛み物質であるプロスタグランジンの生成を抑える優れた薬です。しかし、顔が腫れ上がるほどの重度感染では、骨と骨膜の間や筋肉の隙間に大量の膿が溜まり、逃げ場のない高い内圧(物理的圧力)が生じて神経を強烈に圧迫しています。

この「機械的・内圧的な圧迫痛」に対しては、どれほど強力な鎮痛薬を増量して服用しても効果を発揮できません。虫歯の腫れにロキソニンが効かないと感じた時点で、投薬だけによる対症療法は限界を迎えています。溜まった膿を注射針やメスで排出する「切開排膿処置」を行い、同時に細菌を直接叩く医療用の抗生物質(抗菌薬)を点滴または内服で全身投与しなければ、痛みも腫れも決して治まりません。

池田 達也
著者

池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。