歩いて腹が減ったら、地元の食文化に身を委ねるのが正しい旅の作法だ。福山名物の「くわい」を使った香ばしい煎餅や、瀬戸内の激流で揉まれた鯛を贅沢に使った「鯛めし」は裏切らない味わいを誇る。
だが、路地裏を少し探検すれば、さらに面白い発見がある。築百年を超える木造長屋を改修したカフェでは、地元のスパイスやハーブをあしらった薬膳茶が振る舞われていた。オーナーは「参拝の途中に立ち寄って、余計な力を抜いてもらえる場所にしたい」と語る。歴史ある参道の風情と、若いクリエイターたちの感性が交差する場所。胃袋だけでなく心まで満たされる時間がここにある。