原作であるスタンダールの『Le Rouge et le Noir』は、19世紀のフランス文学を代表する至高の傑作であり、近代心理小説の金字塔だ。しかし本作の真骨頂は、単なる歴史の鑑賞ではない。そこにあるのは、社会の不条理に対する怒りと、純愛と打算が入り混じるスリリングな愛憎サスペンスだ。
情熱や野心を表す「赤」と、孤立や死、そして権力への参入を象徴する「黒」。この対比は、現代社会を生きる私たちの深層心理にも強く響く。人間の欲望が剥き出しになる劇的なプロットは、最新の映像表現によってさらに尖鋭化される。