年齢を重ねるにつれ、周囲が最も気をもむのはその健康状態だろう。結論から言えば、彼の情熱は健在だ。日々の規則正しい生活リズムを崩さず、発声練習や脚力を維持するためのトレーニングを欠かさない。舞台演劇は全身の筋力と集中力を極限まで要求する過酷な表現活動だが、自らの足で立ち、朗々とセリフを紡ぐその立ち姿には長年の鍛錬がにじむ。
日常の風景もきわめて質素でストイックだ。朝の光を浴びながら散歩をこなし、台本を読み込む。雑音の多い現代社会から一歩身を置き、ひたすら言葉の本質と向き合う時間を重んじている。老いに抗うのではなく、老いそのものを演劇的な深みへと変換していく生き様は、周囲のスタッフや関係者に深い感銘を与え続けている。