ビルのドアを開ければ、そこはまるで異なる次元の空間だ。多様なカルチャーが狭いフロアにひしめき合っている。長年暖簾を守る居酒屋の隣に、若手経営者のクラフトビール専門店が並び、上層階にはディープなファンを持つリラクゼーション施設が構える。
この雑多なテナント構成こそが、多様な客層を引き寄せる磁場となっている。出張族のビジネスパーソンから地元の常連、海外からのバックパッカーまで、ひとつのビルの中で異なる文化が出会う。こうした偶然の出会いを生み出す空間設計は、効率を重視する現代の大型施設では再現が難しい。