黒いグレートピレニーズは実在する?毛色の基準と誤認の真相を徹底解説

黒いグレートピレニーズは実在する?毛色の基準と誤認の真相を徹底解説

黒いグレートピレニーズは実在する?毛色の基準と誤認の真相を徹底解説についての疑問解決ガイドをお届けします。

では、実際に街中やドッグランで「黒いピレニーズ」と認識されてしまう個体は、一体どのような背景を持って生まれてきたのでしょうか。取材を進めると、愛犬家コミュニティやSNSで誤認が拡散するプロセスには、以下の3つの明確な要因が存在することが判明しました。

第1の要因は、グレートピレニーズの子犬の毛色の変化です。生まれたての子犬には、頭部や背中に非常に濃い「アナグマ色」のマーキングが現れることがあります。このグレートピレニーズのアナグマ色マーキングは、生後数週間の段階では遠目から見ると真っ黒に近いチャコールグレーに見えるケースが珍しくありません。成長とともに退色して淡いグレーやホワイトに同化していく特性を知らない見学者が、「黒い子犬がいた」と証言してしまうケースが多発しています。

第2の要因は、意図的あるいは偶発的に作られたグレートピレニーズの黒ミックス犬の存在です。大型犬同士を掛け合わせた雑種、例えばニューファンドランドやバーニーズマウンテンドッグ、ラブラドールレトリバーなどとの混血により、骨格はピレニーズ特有の堂々たるフォルムを受け継ぎつつ、被毛の遺伝によって黒一色に発色する個体が誕生します。愛好家が親しみを込めて「ブラックピレニーズ」と通称で呼ぶことが、純血種が存在するかのような誤解を生む土壌となっています。

第3の要因は、グレートピレニーズの交配遺伝におけるタブーです。メンデルの法則に基づく毛色遺伝において、黒の優性遺伝子が純血の血統内に突如出現することは理論上考えにくく、仮に黒毛の遺伝子が混入したとすれば、それは過去の世代で他犬種との交雑があった客観的証拠に他なりません。

中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。