ネット上の感想掲示板やSNSでは、漏瑚に対して「噛ませ犬」「マスコット枠」といった冗談交じりの評価が散見されます。しかし、客観的な作中描写をフラットに分析すれば、この認識が完全な誤解であるとすぐに分かります。漏瑚が弱く見えてしまう背景には、作品の構造的なマッチメイクが深く関係しています。
漏瑚が作中で全力戦闘を披露した相手は、呪術界最強の男「五条悟」と、千年の時を超えて君臨する呪いの王「両面宿儺」の2名だけです。この2人は作品世界のパワーバランスにおいて完全に規格外の天井に位置しており、どんな特級術師や特級呪霊であっても一方的に蹂躙される力関係にあります。最強格の基準値を測るための「試金石」として配置された結果、敗北の印象のみが先行してしまったのが実態です。
漏瑚の真の恐ろしさは、渋谷事変において1級術師たちと相対した場面で遺憾なく発揮されました。歴戦の1級術師である七海建人、名門・禪院家の当主である禪院直毘人、そして禪院真希の3名を、漏瑚は文字通り「一瞬のすれ違いざま」に焼き払い、壊滅状態に追い込んでいます。直毘人は「投射呪法」による最速の術師の一角でしたが、漏瑚の圧倒的なスピードと火力の前には成す術がありませんでした。通常の術師から見れば、遭遇した時点で生存が絶望視される天災そのものの脅威度を誇っています。