吹奏楽関係者が埼玉を「激戦区」と呼ぶ最大の理由は、全国大会で金賞を受賞できるレベルのバンドが県大会レベルで複数脱落するという苛烈な競争構造にあります。
全日本吹奏楽コンクールへの出場枠は各支部に割り当てられていますが、埼玉が所属する西関東支部(埼玉・群馬・新潟・山梨)において、高校Aの部から全国へ進めるのはわずか3枠。この狭き門をめぐり、全国金賞の常連である吹奏楽強豪校埼玉勢が激突します。実質的に「埼玉県大会を勝ち抜くことが全国大会で上位入賞するより難しい」とさえ言われる所以です。
この高い競技レベルを支えているのが、県内全域に広がる指導者のネットワークと、互いを高め合うライバル関係です。特定の1校が突出して勝つのではなく、名門校同士が毎年ハイレベルな技術革新と楽曲アプローチをぶつけ合うことで、県全体の水準が極限まで引き上げられています。