新潟市西区赤塚に広がる佐潟は、砂丘の窪地に水が溜まって形成された砂丘湖です。この周囲を取り囲む標高20〜40メートル前後の砂丘林や農地周辺において、一部の廃墟探索者やネット掲示板で佐潟の洞窟の場所として写真や体験談が断片的に投稿され、関心を集めています。
現地取材班および地域資料の照合によって判明した佐潟の洞窟の真相は、オカルト的な異界などではなく、昭和初期から太平洋戦争期にかけて掘削された地下壕、ならびに近世〜近代の灌漑・排水用暗渠(水路トンネル)の遺構です。新潟砂丘一帯は日本海からの強風と砂移動に悩まされてきた歴史があり、農業用水の確保や水はけの調整のために無数の素掘りトンネルが作られてきました。
さらに戦時中、日本海沿岸の防衛拠点として新潟砂丘群の各所に地下監視所や弾薬庫、防空壕が造成された記録が残っています。これらの人工構造物が長い年月の間に草木で覆われ、開口部だけがぽっかりと口を開けた姿が、現代の探索者たちによって「謎の洞窟」として再発見・拡散されたというのが実態です。