そんな彼に転機が訪れたのは、たまたま求人誌で見かけた劇団の塾生募集広告だった。仲代達矢が主宰する名門「無名塾」のオーディションを受け、見事に合格する。しかし、規律の厳しさに耐えかねて、ここもわずか10日ほどで逃げ出してしまう。
だが、芝居の魅力に取り憑かれた彼は諦めなかった。別の劇団「劇団フジ」に入り、地道に演技の基礎を学び始める。20代前半の彼は、とにかく食うために必死だった。ドラマの端役や、声優としての仕事(『忍者戦隊カクレンジャー』の貴公子ジュニア役など)をこなしながら、牙を研ぎ続ける日々が続いた。