高額取引が日常化しているアグネス・ラムのポスター市場では、偽物(カラーコピー・海賊版・近年の無許可リプリント)が数多く出回っています。「当時物」と偽って販売される悪質なケースに引っかからないよう、プロの鑑定士がチェックする真贋判定のポイントを押さえておきましょう。
1. 印刷技術と網点(ロゼットパターン)の確認
1970年代の当時物は、高精細なオフセット印刷で刷られており、ルーペやスマートフォンのマクロレンズで拡大すると、微細なインクの網点が幾何学模様(ロゼットパターン)を形成しています。一方、偽物の多くは雑誌や写真をスキャンして家庭用・業務用のインクジェット複合機で出力しているため、網点が潰れている、あるいはモアレ(縞模様の干渉縞)が発生しています。
2. 紙質と裏面の経年変化
当時使用されていたコート紙は独特のコシと風合いを持っています。半世紀近く経過した本物は、ポスターの裏面や端部に自然で均一な薄い黄ばみ(経年ヤケ)が見られます。裏面が真っ白でツルツルした最新の写真用紙や光沢紙が使われている場合、十中八九が近年に作成されたリプリント品です。
3. サイズ規格と企業ロゴのフォント
当時物はB1(728×1030mm)やB2(515×728mm)など日本の印刷規格に正確に合致しています。A3やA2など不自然なサイズであったり、比率がおかしく端がトリミングされているものは偽物の典型です。また、スポンサー企業(Clarion、資生堂など)のロゴの輪郭が滲んでぼやけていないかも重要なチェック項目です。
なお、オフィシャルに発売された公式復刻版ポスターも存在します。これらは印刷クオリティが高くファングッズとしての価値はありますが、当時物オリジナルのような数十万円のプレミアはつきません。復刻版には通常、隅に近年の著作権表記(コピーライト)が極小文字で記載されているため確認してください。