日本サッカーミュージアムが多くのサポーターに惜しまれながら営業終了を迎えた最大の引き金は、日本サッカー協会(JFA)の本部ビル「JFAハウス」の売却です。文京区本郷(御茶ノ水エリア)に位置した地上11階・地下3階のランドマークは、2002年日韓W杯の記念事業として約60億円を投じて取得された歴史的建造物でした。
しかし、2026年以降の新型コロナウイルス感染拡大により、代表戦の無観客開催や大会中止が相次ぎ、JFAは数十億円規模の減収を余儀なくされました。加えて、テレワークの定着によってオフィス稼働率が大幅に低下する中、固定資産税や維持管理費が重い固定費として経営を圧迫していたのです。
こうした中、JFA理事会は「資産の現金化による持続可能な強化・普及資金の確保」を決断。2026年に三井不動産へビルを約100億円超で売却することを発表しました。これに伴い、JFA本部はトヨタ自動車東京本社ビル(文京区後楽)等への一時移転・機能分散を経て再編されることとなり、ビル地下に併設されていたミュージアムも必然的に立ち退きを余儀なくされたのが閉館理由の真相です。
なお、御茶ノ水のJFAハウス跡地は、隣接する順天堂大学医学部・大学病院の拡張および最新の医療・研究拠点や複合施設として再開発が進められており、かつて青いユニフォームを着た親子連れで賑わった広場は、高度医療都市の一部として新たな役割を担っています。