ピアノ経験者の間で常に話題にのぼるのが、公式ピアノスコア(楽譜)の圧倒的な難易度の高さです。
クラシックの上級ソナタやショパンのエチュードを弾きこなすピアニストであっても、上原ひろみの楽曲をコピーしようとすると高い壁に直面します。その理由は大きく3つあります。
- 変拍子の中でのタイムキープ:5/8拍子や7/8拍子が目まぐるしく入れ替わる中で、メトロノームに頼らない内的なスウィング・グルーヴを維持しなければならない。
- 左手のパーカッシブな独立駆動:右手がアドリブ的な速いパッセージを奏でている最中も、左手は一定の強いビートを刻み続ける極度のアンディペンデンス(独立性)が要求される。
- 即興(インプロヴィゼーション)の再現不可能性:音符通りに譜面をなぞるだけでは彼女特有の「うねり」や「熱量」が生まれず、機械的な演奏になってしまう。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
上原ひろみの音楽やライブ鑑賞、あるいは楽曲への挑戦において、自身の志向に合っているかを見極める基準は以下の通りです。
【こんな人には心からおすすめ】
- ジャズの伝統にとらわれず、ロックやプログレのような爆発的な生演奏のエネルギーを体感したい人
- 映画『BLUE GIANT』の熱い演奏に心を打たれ、本物のジャズピアニズムの最前線に触れたい人
- ピアノという楽器の限界を超えた打楽器的なダイナミクスや変拍子のスリルを楽しみたい人
【慎重になったほうがよい人】
- 静かで落ち着いたカフェミュージックとしてのBGM的ジャズや、リラクゼーションのみを求めている人
- 伝統的なストレート・アヘッド・ジャズ(4ビートの王道スタイル)の様式美のみを至上とする人
- ピアノ初心者で、独学ですぐに彼女の代表曲を完コピしようと考えている人(段階的な練習が必要)