大手リサーチ機関の調査や業界団体の推計によると、国内の既婚者マッチングサービス市場は右肩上がりの成長を記録しています。利用動向の背景にあるのは、単なる肉体関係の追求にとどまらない「家庭外でのサードプレイス(第3の居場所)」を求める心理的欲求です。
共働き世帯の一般化に伴い、夫婦間の会話が「育児と家事の業務連絡」に終始してしまうケースは珍しくありません。自著や手記で夫婦関係の希薄化を語る当事者たちの多くが指摘するように、「親や配偶者という役割から解放され、一人の個人として承認されたい」という感情が、セカンドパートナー作りに向かう強い動機となっています。
家族社会学の観点からは、家庭内での「心理的バウンダリー(心の境界線)」の崩壊が要因として挙げられます。配偶者に過度な精神的依存を求めすぎると摩擦が生じるため、あえて外部に別の対話相手を確保し、家庭生活の破綻を回避しようとする防衛機制が働いている実態も浮かび上がっています。