ネット上の掲示板やSNSでは、「お気に入りのレーヨンブラウスを普通に洗濯したら丈が10cmも縮んだ」「袖が通らなくなった」という悲鳴が頻繁に投稿されています。この現象は決して大げさな噂ではなく、繊維の物理的な特性によるものです。
レーヨンが水に弱い理由は、セルロース分子の結合構造にあります。乾燥状態のレーヨンは分子同士が水素結合によってしっかり結びついていますが、水に浸かると水分子がその結合の間に入り込み、繊維が横方向に大きく膨らみます(膨潤現象)。太くなった繊維は物理的に縦方向へ引き戻されるため、生地全体がギュッと詰まって縮んでしまうのです。
さらに、水を含んだレーヨンは強度が乾いているときの約50%まで低下します。強度が落ちた状態で洗濯機の強い遠心力や擦れが加わると、繊維が毛羽立ち、縮みだけでなく「型崩れ」「表面の白化(テカリの消失)」といった回復不能のダメージにつながります。
もう一つの注意点が「汗ジミ・水シミ(輪ジミ)」です。水分が付着した部分だけ繊維が膨張し、乾いた後も光の屈折率が変わることでシミのように残ってしまいます。外出先で雨や汗に濡れた場合は、こすらずに乾いたハンカチで優しく水分を吸い取ることが鉄則です。