日本古来の伝統行事である七夕において、なぜ竹ではなく笹が選ばれてきたのかには、合理的な理由と信仰上の背景が存在します。古来、笹の葉の特徴である強い防腐性・抗菌力(安息香酸などの成分)は、神聖な力を宿すものとして尊ばれてきました。冬でも青々とした葉を茂らせ、サラサラと風に擦れ合う音(葉擦れの音)が「神様を招く依り代(よりしろ)」と信じられたためです。
また、七夕に笹を使う理由には実用的な側面もあります。巨大で硬い竹に比べて、笹や若い竹(笹竹)は家庭や寺社で扱いやすく、しなやかに短冊の重みに耐える扱いやすさがあったからです。ちまきや笹寿司に見られるように、食品を包んで保存性を高める生活の知恵としても、笹は日本文化に深く定着してきました。
動物園で人気のジャイアントパンダの食性にも、興味深い選択性が見られます。パンダが食べる笹と竹について、彼らはどちらも好んで採食しますが、季節や部位によって明確に食べ分けています。春先には栄養価が高く柔らかいタケノコを主食とし、秋から冬にかけてはタンパク質や脂質が葉に集中する笹(ヤダケやトウチクなどの笹類)の葉を好んで食します。硬い竹の幹を強靭なアゴで噛み砕く一方で、栄養効率を最大化するために笹の柔らかな葉を選別しているのです。