ネット上の簡易的な解説記事では「七並べは配牌で勝敗の7割が決まる運ゲーム」と結論づけられることが少なくありません。しかし、これはゲーム理論および不完全情報ゲームの観点から見れば明確な誤解です。
七並べの本質は、「他者の手札情報の推論」と「合法的な流通経路の遮断(サプライチェーン・ブロック)」にあります。場に出ているカードの数字と、各プレイヤーがカードを出したスート、そしてパスを出したタイミングを正確にカウントすることで、誰がどの数字をせき止めているかを高い精度で特定可能です。
例えば、プレイヤーBが「スペードの6」が出ているにもかかわらずスペードの列にカードを出さず、他のスートを出したりパスを選択した場合、プレイヤーBは「スペードの5以下を全く持っていない」か、あるいは「スペードの5を意図的に隠し持っている」のいずれかです。ここでプレイヤーCがスペードの4や3を持っていた場合、プレイヤーBが関所(ストッパー)となっているため、プレイヤーCは手札を消化できずに強制的にパスを削られていきます。
このように、七並べは「自分の手札を減らすゲーム」であると同時に、「特定の相手の手札を腐らせ、失格に追い込むゲーム」という冷徹な兵站遮断の側面を持っています。単に手札を出せるからといって無計画に場に出す行為は、後続のライバルに塩を送り、自らの首を絞める自殺行為に他なりません。