日本における熊肉料理の原点は、秋田県阿仁地方をはじめとする東北や信州のマタギ集団にあります。マタギにとって熊は単なる獲物ではなく、山神からの神聖な「授かりもの」でした。彼らは仕留めた熊の毛皮、内臓(熊胆)、肉、骨に至るまで一切を無駄にせず、感謝の祈りを捧げて解体する高度な儀礼と技術を受け継いできました。
雪山の中で食されたマタギ汁は、極めてシンプルな塩と味噌、山菜やキノコのみで仕立てられ、極限状態の狩猟者を支える滋養強壮の源でした。この純粋な命の循環への敬意こそが、日本のジビエ文化の精神的バックボーンとなっています。
一方、現代の都市部では、技術の進歩と輸送ネットワークの進化により、東京・銀座や六本木、神田などのジビエ専門店や会員制日本料理店で、驚くほど洗練された熊肉料理が提供されています。捕獲後すぐに最新の衛生管理認証施設で処理されたツキノワグマのロース肉は、コース料理の主役として1人前数万円の価格帯で食通を唸らせています。
また、近年は産地直送のオンライン通販が充実し、秋田、長野、岐阜、北海道などの信頼できる処理施設から、適正に個体管理・冷凍スライスされた熊肉を1パック(200g〜500g/約3,000円〜8,000円)単位で手軽にお取り寄せできるようになりました。購入者のレビューでも「昔食べた臭い熊肉のイメージが完全に覆された」「脂身の甘さに家族全員で驚いた」といった高評価が定着しています。