「病院に行くと、いきなり爪を剥がされるのではないか」という恐怖から受診を躊躇する方が多く存在します。しかし、現代の皮膚科診療において、いきなり侵襲的な生検を行うことはまずありません。
外来初診で行われる中核検査が、ダーモスコピー検査です。
ダーモスコピーとは、病変部に特殊なジェルや偏光フィルターを当て、強力なライトと拡大鏡を用いて皮膚の浅い層(表皮から真皮浅層)の色素沈着パターンを非侵襲的に観察する医療機器です。痛みは一切なく、検査自体は数分で完了します。
ダーモスコピーによって得られる病理的パターンには明確な基準があります。良性の爪甲色素線条であれば、規則正しく等間隔に並んだ平行な色素ラインが確認されます。一方でメラノーマの場合、線の太さや間隔が不規則で乱雑なパターン(不規則線状パターン)や、色素の塊が無秩序に散らばる像が鮮明に浮かび上がります。
ダーモスコピーによって悪性の疑いが極めて高いと判断された場合に限り、次のステップとして病理組織検査(爪母生検)が検討されます。爪母生検は局所麻酔下で行われ、爪を作る組織を数ミリ採取して顕微鏡下で確定診断を下します。早期であればあるほど切除範囲は最小限で済み、指の機能を損なうことなく根治を目指すことが可能です。