物語最大の関心事である「最終回でヒロインを待ち受ける運命」と「黒幕の正体」。韓国の原作小説(韓国原題:『악녀의 영광』)のクライマックスにおいて、読者を驚愕させたのは単なる勧善懲悪を超えた緻密な伏線回収でした。
かつての人生で主人公を死へと追いやったのは、表面上は嫉妬に狂った元婚約者と純真無垢を装う義妹(ライバル令嬢)の陰謀に見えていました。しかし、事件の根底にあったのは国家の中枢である神殿上層部と皇室保守派による組織的な権力簒奪工作でした。主人公の家門が持つ強大な魔力資源と領地を奪うため、彼女に「稀代の悪女」という汚名を着せ、処刑台へと送り込むシナリオが最初から周到に組まれていたのです。
時を遡り回帰を果たした主人公は、二度目の人生では決して情に流されません。冷徹な知謀を張り巡らせ、男主人公である帝国最強の大公と秘密同盟を締結。敵対勢力が仕掛ける罠をことごとく逆手に取り、偽りの聖女として民衆を欺いていたライバルの化けの皮を社交界の公衆の面前で剥ぎ取ります。
最終盤における断罪劇は圧巻の一言に尽きます。元婚約者は権力欲に目が眩んで自らの不正を暴露する罠に嵌まり、一族もろとも失脚。そして神殿の黒幕は、主人公が密かに収集していた帳簿と禁忌の魔術行使の証拠によって逃げ場を失い、冷酷な法廷で永久追放の判決を下されます。
すべてを清算した主人公は、名ばかりの犠牲者から脱却し、自らの手で帝国を動かす実力者として即位。大公からの偽りのない忠誠と愛を受け入れ、名実ともに本物の「栄冠」を頭上に戴く堂々たる大団円を迎えます。