普段ドライバーが最も長い時間を過ごす車内空間も、機能ごとに細かくパーツ名が定義されています。近年は大型液晶モニターの普及により、内装の造形が一新されつつあります。
インパネとダッシュボードの歴史的違いと現代の統合コックピット
日常会話では同義語として使われがちな「インパネ」と「ダッシュボード」ですが、本来の定義は明確に異なります。
- インストルメントパネル(インパネ):元来は速度計、タコメーター、水温計、警告灯などの「計器盤(Instrument Panel)」が埋め込まれた運転席正面の枠組みを指していました。
- ダッシュボード:馬車の時代、馬の蹴り上げる泥を跳ね返す「泥除け板(Dashboard)」が語源です。自動車においては、エンジンルームと室内を隔てる隔壁(バルクヘッド)の上部を覆う、フロントガラス下の平坦な内装トリム全体を指します。
現代の車両においては、メーターフードからセンターディスプレイ、助手席側までが滑らかなソフトパッドや大型ガラスパネルで連続する「統合型コックピットディスプレイ」が主流となりました。その結果、整備現場やカタログでも、フロントガラス下部一面を構成するユニット全体を総称してインパネ、あるいはダッシュボードアセンブリと呼ぶことが定着しています。
押さえておくべき主要インテリア部位
愛車のクリーニングやインテリアカスタムで耳にする部位名は以下の通りです。
- センタークラスター:インパネ中央部。カーナビゲーション画面、エアコン吹き出し口、空調操作パネル、ハザードスイッチが集約される縦型の操作エリアです。
- センターコンソール:運転席と助手席を仕切る床面の土台部分。シフトレバー(またはシフトスイッチ)、電動パーキングブレーキボタン、ドリンクホルダー、アームレスト兼用コンソールボックスが配置されます。
- グローブボックス:助手席前方のインパネ下部にある開閉式収納。かつて初期の自動車で、手動始動や整備のために革手袋(グローブ)を常備していた名残がそのまま名称として残っています。
- ドアトリム:ドアの内張り。合成皮革やファブリック、樹脂で覆われ、インサイドドアハンドル、パワーウインドウスイッチ、スピーカーグリル、ドアポケットが内蔵されています。
- スカッフプレート:ドアを開けた足元、サイドシルの敷居部分に設置される保護プレート。乗降時の靴による傷つきを防ぐ樹脂やステンレス製のパーツで、車名ロゴがLEDで発光するタイプも定番です。